2015/06/24 社会保険新規加入、1年で5400業者/業許可・経審時の指導が奏功/国交省

【建設工業新聞 6月 24日 1面記事掲載】

国土交通省は、12年11月から建設業許可や経営事項審査(経審)の申請などに合わせて実施している社会保険の加入指導によって、今年3月までの2年5カ月の間に1万3710業者が新たに加入したことを明らかにした。14年度の1年間で加入業者は約5400業者増えたことになるという。加入指導に応じず厚生労働省への通報にまで至ったのは1・8万業者で、通報率は(指導件数に対する通報件数の割合)46・1%に上った。厚労省への通報後に加入する業者もあり、建設業許可や経営事項審査(経審)の申請から最終的に加入に至る業者数はさらに膨らむ見通しだ。

許可・経審の申請件数は合計31万0413件。このうち87・4%(27万1236件)が加入していた。国や都道府県許可部局による加入指導の対象になったのは、12・6%(3万9177件)だった。指導は許可・更新と経審申請時に加え、立ち入り検査時にも行っている。国交省直轄工事で未加入が発覚し、建設業許可部局に通報された数件も含まれている。

指導を受けて加入に至った1万3710件は指導件数の35%に当たる。指導は半年間で2回実施することになっており、通報率は46・1%と1年前の30・6%から15・5ポイント上がった。加入指導の開始から2年5カ月がたち、指導の期間を終えて通報に至る業者が増えている。昨年9月末時点と今年3月末時点のデータを比べると、半年間で指導を受けたのは6222業者、指導後に加入したのは2384業者、通報されたのは4043業者だった。通報された業者は、厚労省側の加入指導や立ち入り検査を受け、それでも加入しない場合は許可部局に戻され、建設業法に基づく指示処分や営業停止処分が行われる。

地域別に見ると、民間発注工事が多い関東、中部、近畿が申請時の加入率が他の地域より低く、指導率が高い。中部の指導後の加入率は27・8%で、全国平均を大幅に下回っている。国交省は建設業許可を持つすべての未加入業者に対し、許可更新時を待たずに加入を指導するため、指導文書を今秋に一斉送付。指導の前倒しによって、17年度の100%加入を確実にする。

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