2015/10/28 国交省/ランダム係数での減額措置是正へ/25自治体が実施、歩切り根絶へ改善要請
【建設工業新聞 10月 28日 1面記事掲載】
国土交通省は、地方自治体が公共工事の入札で予定価格を算出する際、設計書を基に積み上げた工事金額に無作為の係数(ランダム係数)をかけて減額する措置について、設計金額の2%を超える過度な減額措置の是正に乗りだす方針を固めた。ランダム係数の導入は、設計金額から一定割合を自動的に減らす「歩切り」の一種。行き過ぎた減額は企業が施工で本来得られる利益を奪い、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に反する行為として改善を促す。
ランダム係数とは、くじなどで不規則に出る係数を設計金額に乗じる措置。入札手続きの透明性や公正性を確保するのが目的とされ、例えば「設計金額の96~100%」などの幅の中で減額する率を無作為に決めている自治体が目立つ。国交省が調査した結果、設計金額が10億円の工事の場合、最大で5000万円の減額になるランダム係数を運用している自治体があった。
ランダム係数の導入に似た措置として「端数処理」がある。端数処理は、設計金額の規模に応じ、1000万円なら1万円未満、10億円なら10万円未満などの金額を切り捨てる措置。これも歩切りに該当するが、ランダム係数の導入と共に、合理性があって極めて少額にとどまる場合は「やむを得ない場合がある」というのが国交省の見解だ。
歩切りの根絶に向けたこれまでの取り組みでは、端数処理やランダム係数ではなく、慣例や財政健全化を理由に歩切りを行う自治体を主なターゲットに据えてきた。今年7月時点の調査によると、一連の取り組みで、ターゲットの自治体は今年1月からの半年間で半減し、廃止の態度を明確に表明していない自治体は50団体にまで絞られた。
一方、ランダム係数を導入している25団体を分析した結果、設計金額から2%以上を減額している団体が四つあり、減額幅が最大で5%に達する制度を運用している自治体もあった。
ランダム係数の導入や端数処理を行っている自治体は、7月時点で240団体あるが、国交省は行き過ぎたケースに対しては是正を呼び掛ける必要があると判断した。
国交省の方針は、都道府県の建設業政策担当者や契約・積算担当者が出席して11月から開く15年度下期の「ブロック監理課長等会議」の場を活用し、展開していく。監理課長等会議では、歩切りの廃止時期を明らかにしていない50団体について、都道府県から報告を求める。国交省は都道府県に対し、50団体への聴取を行い、聴取結果を30日までに同省に回答するよう要請しており、回答期限も迫っている。
ランダム係数とは、くじなどで不規則に出る係数を設計金額に乗じる措置。入札手続きの透明性や公正性を確保するのが目的とされ、例えば「設計金額の96~100%」などの幅の中で減額する率を無作為に決めている自治体が目立つ。国交省が調査した結果、設計金額が10億円の工事の場合、最大で5000万円の減額になるランダム係数を運用している自治体があった。
ランダム係数の導入に似た措置として「端数処理」がある。端数処理は、設計金額の規模に応じ、1000万円なら1万円未満、10億円なら10万円未満などの金額を切り捨てる措置。これも歩切りに該当するが、ランダム係数の導入と共に、合理性があって極めて少額にとどまる場合は「やむを得ない場合がある」というのが国交省の見解だ。
歩切りの根絶に向けたこれまでの取り組みでは、端数処理やランダム係数ではなく、慣例や財政健全化を理由に歩切りを行う自治体を主なターゲットに据えてきた。今年7月時点の調査によると、一連の取り組みで、ターゲットの自治体は今年1月からの半年間で半減し、廃止の態度を明確に表明していない自治体は50団体にまで絞られた。
一方、ランダム係数を導入している25団体を分析した結果、設計金額から2%以上を減額している団体が四つあり、減額幅が最大で5%に達する制度を運用している自治体もあった。
ランダム係数の導入や端数処理を行っている自治体は、7月時点で240団体あるが、国交省は行き過ぎたケースに対しては是正を呼び掛ける必要があると判断した。
国交省の方針は、都道府県の建設業政策担当者や契約・積算担当者が出席して11月から開く15年度下期の「ブロック監理課長等会議」の場を活用し、展開していく。監理課長等会議では、歩切りの廃止時期を明らかにしていない50団体について、都道府県から報告を求める。国交省は都道府県に対し、50団体への聴取を行い、聴取結果を30日までに同省に回答するよう要請しており、回答期限も迫っている。
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