2020/03/31 国交省/改正業法政令案/「技士補」が監理技術者職務補佐、検定受験料引き上げ

【建設工業新聞  3月 30日 1面記事掲載】

国土交通省は昨年6月に公布された改正建設業法の施行に向け、関係する政令案をまとめた。監理技術者を補佐する者は主任技術者のうち、監理技術者の職務に関する基礎的な知識や能力を持つ者と規定。名称を「技士補」とする。技術検定制度の変更に伴う経過措置を規定。技術検定の受験者数減少などを踏まえ受験手数料の額を引き上げる。4月25日まで意見募集を行った上で5月に閣議決定し、公布する。

改正業法は▽著しく短い工期の禁止▽監理技術者の専任義務の緩和▽主任技術者の配置義務の合理化-など技術検定制度の見直し以外の規定が、10月1日に施行される。2021年4月1日には「技術検定制度の見直し」を施行。21年度の試験から、元請の監理技術者を補佐する「技士補」の資格が付与される新しい技術検定制度になる。

建設業法施行令の一部を改正する政令案は、施行日ごとに2種類。10月1日施行予定の政令案では、監理技術者の職務を補佐する者を、主任技術者で監理技術者の職務に関する基礎的な知識や能力を持つと認められる者と規定。補佐する者を置いた場合は、監理技術者が兼務できる工事現場数を2現場とする。

下請の主任技術者の配置義務の合理化策が導入され、1次下請が1年以上の指導監督的な実務経験を持つ主任技術者を専任配置する場合、2次下請の主任技術者の配置を不要にできる。主任技術者の配置が免除される特定専門工事を「型枠工事」「鉄筋工事」と規定。特定専門工事の対象は下請契約の請負金額3500万円未満とする。

改正業法により技術検定制度が見直され、学科と実地を加味した第1次検定と第2次検定に再編する。21年4月1日施行予定の政令案には、第1次検定の合格者に「技士補」、第2次検定の合格者に「技士」の称号を付与すると規定する。

受験資格は現行制度をおおむね踏襲。2級の第2次検定合格者が、1級の第1次検定を受験する際、1級相当の実務経験を不要とする。これにより2級の第2次検定に合格した翌年に1級の第1次検定が受験可能。所定の実務経験(5年以上)は、1級の第2次検定の受験要件とする。

新しい技術検定制度への移行に伴い経過措置も規定。現行制度の20年度試験までに学科試験を合格し、学科試験を免除される者については免除期間内に限り、新制度でも第1次検定を免除して第2次検定を受験できる。

技術検定の受験者数の減少、試験回数・会場数の追加による支出増などで受験者1人当たりの費用が増加していることを踏まえ、19年度試験で新種目となった電気通信工事を除く6種目の受験手数料を引き上げる。検定種目のうち、建設機械施工の名称を「建設機械施工管理」に改める。

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