2021/06/09 国交省/i-Con推進コンソーシアム企画委が会合/中小事業者の普及拡大で議論

【建設工業新聞  6月 8日 2面記事掲載】

国土交通省は7日、産学官で構成する「i-Construction(建設現場の生産性向上策)推進コンソーシアム」の全体マネジメントを担う企画委員会の会合をオンラインで開いた。中小事業者でも導入しやすいICT(情報通信技術)ツール活用の仕組みを構築することなどを今後の注力ポイントに設定。担い手不足の深刻化を踏まえ建設現場の生産性をより高める方法なども議論した。

冒頭、国交省の朝日健太郎政務官は「新型コロナウイルスへの対応や社会全体のデジタル化、グリーン社会の実現などが求められる。中小企業を含め(i-Conを)普及拡大し、生産性向上をさらに進める」と述べた。

コンソーシアムの会長を務める小宮山宏三菱総合研究所理事長は、議論のキーワードとして▽DX(デジタルトランスフォーメーション)▽中小企業への普及拡大▽カーボンニュートラルへの対応-の三つを列挙。委員によるプレゼンテーションに加え、日本建設業団体連合会(日建連)や可児建設(愛知県小牧市、可児憲生代表取締役)が取り組み状況を報告した。

国交省は前回会合で出た委員の意見を踏まえ、生産性向上の現状と今後の方向性を説明。ICT建設機械の認定制度や入札時のインセンティブ付与などで中小企業への普及拡大を促進するとした。建設工事のイノベーションを後押しする技術や工法、材料の開発・実証・標準化動向も紹介した。

2025年度までに生産性を2割向上する目標を見据え複数の生産性指標を提示。ICT活用工事による作業時間の縮減効果を基に算出した指標によると、ICT活用工事を導入していない15年度と比較し、19年度までに約17%の生産性向上を実現した。

会合の締めくくりで小宮山氏は、生産性向上の目標について「もっと目線を上げる必要がある」と指摘。担い手不足などを重く見てさらに意欲的な目標に挑むべきだと訴えた。

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