2024/08/09 公共工事品確法/運用指針など24年冬に改定、自治体や業界に意見照会し検討

【建設工業新聞 8月 9日 1面記事掲載】

改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)が6月に公布・施行されたことを受け、公共工事の発注者などが新たに講じるべき措置を盛り込む「基本方針」と、発注関係事務の共通したルールとなる「運用指針」の改定作業が本格化する。いずれも地方自治体や建設業団体への情報共有や意見照会を挟みながら内容を詰める見通し。今冬には改定後の基本方針と運用指針を策定し、これに基づく発注事務を開始する。

改定作業は国土交通省が中心的役割を担い、公共工事の発注関係省庁で構成する連絡会議を通じ検討する。基本方針の改定に当たっては必要に応じて自治体や建設業団体と情報共有し、今冬の閣議決定を目指す。

国や自治体は基本方針に従って必要な措置を講じる努力義務が課される。発注関係事務の適切な実施に加え、受注者の責務に関する事項も規定する。

運用指針は自治体や学識経験者、民間事業者などの意見を聞いた上で国が策定することになっている。まずは今夏に改正公共工事品確法を踏まえた指針改定に関する意見を自治体と建設業団体に聴取。今秋以降に改定案がまとまった段階で、有識者も含めた形で意見照会する。この間、各地域の発注者協議会や民間事業者向け説明会の場で法改正の内容などを周知する。

運用指針の前回改定時には災害時の緊急対応に関する内容を充実させ、公共工事に関する測量、調査、設計を対象に追加。施工時期の平準化や適正な工期設定、ICTを活用した生産性向上などの新たな対応も明記した。

今回の改正公共工事品確法ではスライド条項の適切な運用や新技術の活用、地域建設業などの維持に関する措置が盛り込まれ、運用指針を通じ発注者に対応が求められることになりそうだ。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る