2024/11/29 24年度補正予算案の公共事業関係費/国交省分1・9兆円、前年度補正から8・3%増

【建設工業新聞 11月 29日 1面記事掲載】

政府が29日にも閣議決定する2024年度補正予算案で、国土交通省関係の公共事業関係費が国費ベースで1兆9126億円となることが分かった。23年度補正予算と比べると1469億円、8・3%の増額となる。資材価格の高騰により実質的に減少する事業量を補うとともに、能登半島地震などの教訓を踏まえ防災対策を強化する二つの緊急的な予算措置を講じ、国土強靱化対策を前年度を上回る規模で推進する。

補正予算案は28日に開会した臨時国会に12月上旬にも提出され、年内の成立を目指す。

国交省関係の公共事業関係費のうち、国土強靱化関係は1兆1315億円。その内数として資材高騰を踏まえた国土強靱化の「緊急対応枠」として2467億円、能登半島地震などの教訓を踏まえ緊急に対処すべき経費に活用する「緊急防災枠」として2183億円が含まれる。これらの積み増し分は「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の5年目分とは別枠で計上する。

国土強靱化の緊急対応枠は23年度補正予算に続いての措置となり、1年前とほぼ同額を計上。新たに措置される緊急防災枠は、この1年の自然災害で明らかになった防災上の課題に対応するための対策強化に充てることになりそうだ。

これ以外の公共事業関係費では「生産性向上等」を目的に4143億円を計上する。道路をはじめとする物流ネットワークの整備などに充てるとみられる。生産性向上等の枠内で、省エネ住宅の新築費用などを補助する「子育てグリーン住宅支援事業(仮称)」に1850億円を配分し、そのうち500億円を「GX経済移行債」の発行で賄う。

災害復旧には3668億円を計上。23年度補正予算と比べると398億円、12・0%の増額となる。

非公共事業費には3352億円を計上する。特に石破茂首相の肝いり施策の一つとして気象庁の機能強化に重点的に配分し、線状降水帯や台風の予測精度向上などに385億円を充てる。観光地・観光産業の再生・高付加価値化には300億円、「交通空白」の解消などに向けた地域交通のリ・デザインには326億円を配分する。

公共・非公共を合わせた国費総額は2兆2478億円。これ以外に財政投融資に2139億円を充てる。

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